研究内容

主な研究テーマ

蓄熱

 例えば、工場や製鉄所のようなところでは、数百度のたくさんの廃熱が存在しますが、熱がある場所とそれを使いたい場所に空間的なギャップがあるなどの理由で、効率的に利用されぬまま環境に捨てられています。また、寒冷地における冬期の冷熱を、時間的なギャップを超えて夏場の冷房に使えることができれば、エネルギー消費削減に貢献できることができます。
 そのような問題を解決するための蓄熱技術の進展のため、新たな蓄熱媒体の開発からシステムのエネルギーフロー解析まで、幅広い研究を行っています。

固体冷媒ヒートポンプ技術

 地球環境負荷の低減や、温暖化防止のため、フロン系冷媒ガスの使用規制がますます厳しくなっています。本研究では、冷媒として固体材料を用いることにより、地球温暖化係数がゼロである、グリーンヒートポンプの実現を目指し研究を進めています。この技術は世界的なネットワークによって情報共有がすすめられており、我々の研究室で得られたデータも積極的に公表・提供し、できるだけ早くの商品化・市場投入を目指しています。

複雑系熱流体工学

 気体、液体、固体の二相および三相が混在する流れ(混相流)、特異な粘性構造を有する流れ、渦や乱流構造を有する流れ、さらには、化学反応や相変化および熱・物質輸送を伴う熱流体現象を、分野横断的な包括的研究により解明を目指す活動が進んでいます。これらの研究分野で世界的に評価の高い、神戸大学複雑熱流体工学研究センタに学外協力教員として参画し、次世代のサステイナブル社会の形成に貢献することを目指しています。

研究室の紹介記事・動画

  • Meiji.net記事「私たちの身近にある熱エネルギーには多様な可能性がある」

 https://www.meiji.net/it_science/vol303_tsuyoshi-kawanami

  • Meiji.net YouTube動画「磁気ヒートポンプ」(英語)

 https://www.youtube.com/watch?v=LAL0NCDzA9A

  • 研究室紹介動画

  https://commonsi.muc.meiji.jp/em/6279d13f91b1c

研究室の取り組み

 明治大学理工学部エネルギーシステム研究室では、エネルギー需給の時間的・空間的ギャップを埋めるための、新たなエネルギー利用形態およびそれを実現するためのデバイスについて研究開発を行っています。また、我々の生活に欠かすことのできないヒートポンプ技術(冷房・暖房など「熱の質を変換する」装置)について、これまでにない新たな手法を提案し、実用化へ向け研究開発を行っています。
 過去に、国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)の「戦略的創造研究推進事業−先端的低炭素化技術開発」の課題に採択された課題「階層構造磁気蓄熱再生器を持つ磁気ヒートポンプの開発」が、いよいよ実システム構築のフェーズに入ってきています。この課題は、明治大学が研究代表となり、東京工業大学、九州大学、鉄道総合技術研究所などと研究グループを組んで行ったプロジェクトです。
 以下の動画は、JSTプロジェクトの内容を紹介したものです。

所有設備

装置名メーカー型式
ドラフトチャンバーダルトンCSM-1300YT
赤外線サーマルカメラFLIRA320
赤外線サーマルカメラFLIRCPA-E60A
小型環境試験器エスペックSU-642
小型環境試験器エスペックSU-242
光学顕微鏡Leica MicrosystemsDM2500 LED
実体顕微鏡Leica MicrosystemsS9 D
示差走査熱量計NETZSCHDSC 3500 Sirius
小型プレス機アズワンH300-05
可視化用レーザー光源カトウ光研PIV Laser G100
高機能流体解析ソフトカトウ光研FlowExpert
ホットディスク法 熱物性測定装置京都電子工業TPS 500
回転式粘度計BrookfieldDV1
超純水製造装置MerckDirect-Q UV
低温インキュベーター福島工業FMU-054I
低温インキュベーター福島工業FMU-133I
小型磁気冷凍試験装置- 
中型磁気冷凍試験装置- 
PAGE TOP